【2020年5月上旬現在】いま映画館のためにできる支援まとめ・名古屋近郊版
世界中が新型コロナウイルスに翻弄される日々。
あっちもこっちもみんなてんやわんや、外にも出れなきゃ友達にも家族にも会えない。政府は全く頼りにならないし、夢も希望もありゃしない。
そんな時でも、しょぼくれた心を慰めてくれたり、笑顔を取り戻させてくれたり、立ち上がる支えになってくれたり、新たな展望へと目を開かせてくれたりする、そんな内なる世界へ通じる窓になってくれるのが映画だと思うんですけど、今やその映画もあぶない。映画っていうか、映画館があぶない。とりわけ、大きな資本を持たないミニシアターがとってもあぶない。ここで言う「あぶない」っていうのは、感染どうこうではなく、経営的に危機的状況っていうやつです。
映画館もあぶなけりゃ、配給も制作も役者さんもスタッフさんも、映画からのびていく毛細血管の末端に至るまでみんなあぶないんだけど、目下のところ、基盤になる場所を失うのはマジでやばい。これから先、またエンタメを浴びに行ける平穏な日々が戻ってきても、その場所が失われていては、提供したい側も享受したい側も何ともならんですよね。世はVOD真っ盛りとはいえ、映画文化はNetflix & Chillのみにて生くるに有らず。何とかこの局面乗り越えなきゃならない。
そんなこんなで、あっちこっちで「映画館を救え!!」という活動が興っております。私も乗っかれるだけ乗っかっていこうと必死に追っかけておりますが、どんな支援が生まれて、どこの劇場までがカバーされてて、いつが〆切で…って、把握しきれなくなってきた。
なので、この記事はひらたく言うと、私の備忘録アンドリンク集です。私が名古屋近郊尾張地区がホームグラウンドなものでこのへんだけの話でごめんなさいね。メモついでにどっかの映画好きな誰かの役に立ったらうれしい。漏れもミスもあると思いますが随時更新していきます。
名古屋近郊劇場支援早見表
まずは、手っ取り早く支援と劇場を総当たりで俯瞰できる表がこちら。
スマホからだとえらい見づらいですが、私のwebぢからの限界です。すまない。
シネマ テーク |
シネマ スコーレ |
名演 小劇場 |
伏見 ミリオン座 |
シアター カフェ |
岐阜CINEX |
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ミニシアターエイド基金 | ○ |
○ |
○ |
- |
○ |
○ |
映画webマガジンOLIVE/SUZURI | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
仮設の映画館 | ○ |
○ |
○ |
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アジアンドキュメンタリーズ | ○ |
○ |
○ |
- |
○ |
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A DAY IN THE AICHI | ○ |
○ |
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東京シネマサロン/SUZURI | - |
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自社クラウドファンディング | - |
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年間鑑賞会員 | ||||||
パンフ・グッズ等通販 | - |
△ |
- |
- |
次の2館は、正しくは系列館まで入れて「伏見ミリオン座・センチュリーシネマ」「岐阜CINEX・ロイヤル劇場」ですけど便宜上片方の名前だけでお察しください。名古屋近郊って言ってんのに岐阜CINEXが入ってるのは私の推し劇場だからです。シンプルに贔屓。あと刈谷日劇以西その他*1が入ってなくてごめん。好きだよ日劇さん…ボイメンがお世話になっています…「神と共に」一挙上映も天才でした…。
では、それぞれの支援内容についてざっくり紹介。
支援名からアンカーリンクで概要へ、表の中のリンクから公式の該当ページへ飛べます。
ミニシアターエイド基金
motion-gallery.net
深田晃司・濱口竜介両監督が発起人になって立ち上げられたプロジェクト「ミニシアターエイド」。「Save the Cinema」でミニシアターを守るための署名を、「ミニシアターエイド基金」で寄付を募っています。寄付の受付最終日は5/14(木)。
- 寄付形式
クラウドファンディングサイト「Motion Gallery」を介したクラウドファンディング。大きく分けて物質的リターンなしの「思いっきり応援コース」、リターンありの「未来チケットコース」の2つを選ぶことができます。 - リターン
それぞれ寄付の金額に応じて、
「思いっきり応援コース」は、 感謝のメッセージpdfと感謝映像へのクレジット。
「未来チケットコース」は、感謝のメッセージpdf、感謝映像へのクレジット、オンライン上のサンクスシアターでのストリーミング上映、参加有志劇場の未来鑑賞チケット・パスポート、賛同監督・俳優を迎えてのイベントへの招待などが受けられる。
「未来チケットコース」のリターンは、寄付の金額だけでなく希望する劇場によっても受けられる特典詳細が異なるので要確認。
映画webマガジンOLIVE/SUZURI
suzuri.jp
オンデマンドグッズサイト「SUZURI」に開設されている、映画webマガジンOLIVEさんのショップ。グッズごとに設定された寄付金を、自分の贈りたい劇場を指定して寄付してもらうことができます!すごい!!(指定しなかった場合は先方で分配してくれる)オリバーくんがとてもかわいい。寄付の受付最終日は5/31(日)。
仮設の映画館
www.temporary-cinema.jp
想田和弘監督と配給会社東風さんが設立したストリーミング配信サイト。劇場で上映されるはずだった作品を、劇場と並行してオンライン上*2でも鑑賞できます。鑑賞チケットの売り上げは、手数料を差し引いた後、配給と劇場で5:5に分配されます。劇場や上映期間は作品によって異なるので要確認。
- 寄付形式
「仮設の映画館」で、鑑賞したい作品ページの下部リストから寄付を希望する劇場を選びます。すると、Vimeoのレンタルページにジャンプするので、必要情報などを入力し支払いを済ませればOK。
鑑賞料金は1作品につき1800円。視聴期間は決済後から24時間有効。
アジアンドキュメンタリーズ ミニシアター応援プロジェクト
asiandocs.co.jp
アジアの良質なドキュメンタリーを多数配信している配給会社アジアンドキュメンタリーさんによるミニシアター応援企画。プロジェクト期間内に単品購入した作品の全額、または見放題会員の月額視聴料の一部が(ともに495円)、「ミニシアターエイド」を介して劇場に寄付されます。寄付の受付最終日は5/14(木)。
- 寄付形式
公式サイトから作品の単品購入もしくは、見放題プランの申し込みができます。単品購入の場合は全額にあたる495円が、見放題プランの場合は、チャリティ作品を鑑賞すると月額視聴料の中から495円が寄付されるしくみ。単品購入の場合、視聴期間は購入後7日間有効。見放題プランは1ヶ月から1年間まで幅広く設定されているので、詳しくは公式サイトを参照。
A DAY IN THE AICHI お見舞金支援プロジェクト
aday.themedia.jp
カンパニー松尾監督が、昨年行われた「あいちトリエンナーレ2019」のために撮り下ろしたドキュメンタリー作品「A DAY IN THE AICHI」を、劇場とライブハウス支援*3のために再編集し有料配信しています。尺はたっぷり4時間20分。ステイホーム時間にもぴったり。配信期間は5/17(日)まで。
- 寄付形式
配信サイトからストリーミング購入後、鑑賞料金1800円が支援先劇場とライブハウスに均等に分配される。視聴期間は購入後7日間有効。
オンデマンドグッズサイト「SUZURI」に開設されている、上映会・トークイベントなどを多数開催している東京シネマサロンさんのショップ。グッズごとに設定された寄付金が指定の支援先劇場に分配されます。*4それぞれの劇場にゆかりの深い俳優やイラストレーター陣がグッズを制作していて、名古屋地区は、シネマスコーレと相思相愛の俳優・田中俊介が、スコーレのためにTシャツ2種とマグカップ1種をデザイン。他地方のグッズもかわいくて、支援先の劇場のことも気になってくるぞ。シネマ尾道と熊本DENKIKANかわいい。
「自社」って言うと語弊がある…?劇場自身もしくは劇場を支援する人々が独自に展開しているクラウドファンディングです。中間はさまず推しに一点でぶっこみたいタイプはここが買いだ!(言い方)これ書いてたらちょうどのタイミングで名古屋シネマテークエイドの受付が終了してしまったんですけど、まだ動きがあるかも知れないしnoteから有用なリンク先に飛べるのでここにもリンク残しておきます。メモメモ。
note.com
www.meiensupport.com
motion-gallery.net
年間鑑賞会員
多くの劇場が通年鑑賞会員を募集していますが、今こそ入会することで劇場を支援することができます。鑑賞料金割引をはじめその他特典もさまざま受けられてお互いwin-winでしかない。岐阜CINEXが△なのは、会員制はないけど鑑賞スタンプカードがあるので…。100円でもらえちゃって、スタンプ5個たまると1回無料で鑑賞できちゃうので…。是非購入していただきたい…!!
パンフ・グッズ等通販
常に通販を行っている劇場もあれば、このたびの苦境を乗り越えるためにオリジナルグッズを作った劇場もあります。どちらにしろこれもお互いwin-winのうれしい支援しかも家から一歩も出ずにやれるやつです(運送会社さんありがとう)。
伏見ミリオン座が△なのは、グッズ自体は販売してるし(ロゴ入りマグカップ。かわいい)何ならカフェもコンセッションも充実した劇場なんだけど、残念ながら通販をやっていないので…。劇場が開いたら、鑑賞前後の時間を使っていつもよりちょっと多めにおみやげやおやつを買ってみてほしい。私も買います。
映画館アイラブユー
つらつら書いてる間に名古屋シネマテークエイドやmu-moライブシアターが終了してしまって、やっちまった〜間に合わなかった〜と思っていたら、一方新たに今泉力哉監督「街の上で」の先行販売グッズの収益がミニシアターエイドに寄付されることが発表されたりもして、まだまだ事態は色々激動。
machinouede.base.shop
ここに書いた名古屋近郊以外でも、もちろんたくさんの映画館支援活動が行われているし*5、これからもきっと新しい支援が出てくると思います。支援のいらない日々が早く戻ってきてほしいけど、残念ながら事はまだまだ長期戦になりそうなので。ミニシアターだけじゃなくてシネコンだって全然大丈夫じゃないはずだし!いくら親会社がついてたって、不景気になれば末端からどんどん切られていくって、ヘラルドシネプラザ名鉄東宝その他で嫌ってほど見てきたんだよなあ。
とにかく、映画関係者も観客も、みんな映画館を助けたくて必死。そして映画館も生き残ろうと必死。みんな必死で手を取り合って、もがきながらも掴んだ手は離さないように、真っ黒い激流の中をどうにかあっぷあっぷしながら浮き沈みしている。こんな姿、いろんな映画でたくさん見てきた気がする。見てきてはいたけれど予行演習は全然できてなかったなあ。でも何とか乗り越えたい。乗り越えてほしい。だって映画と映画館が大好きだから。
「映画という文化を云々かんぬん」だとか「雇用をどうこう」だとか、かっこいいこともそれっぽいことも書こうとすりゃどうとでも書けるんだろうけど、もう、シンプルに、これは我欲ですわ。エゴでございます。私が、わたくしが映画を映画館で見るのが大好きなので、これからも見ていたいので、どうにか生き残ってほしい。頼む。極論これでしかない。
私が石油王だったらな〜!!って思わずにおれんけれど、石油王でもなかなか全部の映画館は救えないからなあ。ちょうど石油も危機になってるしなあ。ちまちまといち個人にできる範囲で「映画館行ったつもり寄付+α」くらいしかできないけれど、映画ファンみんなの、無理のない範囲の「行ったつもり」を集めれば、まあまあの力になるのではないかと、いまはそう信じるしかない。がんばろうな〜。
あー、ほんと、ほんと国よ。国がしっかりしてくれよ。
WE ARE NOT THINGSだよ。映画を見てくれ。
「ホドロフスキーのサイコマジック」web先行上映
https://uplink-co.square.site/psychomagicuplink-co.square.site
アップリンクさんのサイトから先行web上映されている「ホドロフスキーのサイコマジック」を鑑賞することで、上映を予定していた全国の劇場に収益が分配されます。愛知地区では名古屋シネマテークが対象になっています。通常プラン1900円と寄付込みプラン2500円が設定されていて、視聴期間はともに決済後から72時間有効です。
サイトではサイコマジック以外にも同監督のエル・トポやホーリーマウンテンのグッズも購入することができます。ホーリーマウンテンTシャツめっちゃかっこいい。
若松プロダクション ミニシアター応援基金
www.wakamatsukoji.org
シネマスコーレの設立者である若松孝二監督の若松プロダクションが配信している未DVD化作品を鑑賞すると、収益の半分がミニシアター及び映画に携わる施設に寄付されます。1作品1000円で、視聴期間は決済後から48時間です。
シネマスコーレ オンラインシアター
cinemadiscoveries.co.jp
シネマスコーレで制作された作品をオンラインで鑑賞できるサイトができました。未ソフト化、封切前の作品多数!なかなか見られる機会のない作品ばかりなので、これが全国どこでも視聴できるのはありがたい。1作品500円で、決済後3日間(72時間)視聴可能です。収益は、手数料を除き全額がシネマスコーレに還元されます。
*1:名古屋市内だけど三越映画劇場(星ヶ丘)と大須シネマ(大須)は2月末に休業してからその後が杳として知れない。心配。あと、敢えて表には入れなかったけれど、多分愛知県下唯一の成人映画専門映画館の生き残り、尾西シネラマパワーもミニシアターエイド基金で支援できます!!よかったー!!とてもとても心配していた!!入ったことないけど建物から何から何まで貴重な文化遺産だと思うので…いつか終わる日が来るとしてもそれは今じゃないので…。だが今日じゃない(バトルシップ)!!がんばれシネラマパワー!! kakiotoshi-project.tumblr.com
*2:動画配信サービスVimeoを利用。Vimeoの会員登録が必要だけれど、無料会員で大丈夫。
*3:早見表にあるシネマテークとシネマスコーレの他、刈谷日劇と今池TOKUZOも支援対象になっています。
*4:寄付先が特定の劇場ではなくミニシアターエイド基金に設定されているグッズもあります。
*5:わたくしも関西ミニシアターの応援Tシャツ買いました。がんばれ〜!アップリンクの配信やおうち映画館も素晴らしい企画だと思います。映画は劇場で見たい気持ちはやまやまだけれど、円盤発売前や未発売の作品を配信で見れるのはうれしい。 www.uplink.co.jp www.dmm.com